セルフネグレクト(自己放任)という言葉を目にすることが増えてきたように思えます。言葉自体は横文字で新しいように思えますが、たぶんこのセルフネグレクトという概念は昔からあったと思います。

昔もセルフネグレクトと自覚していない人が大勢いるというのが現実ではないでしょうか。若く希望を持っている人でも、うつ症状がない人でもセルフネグレクトに陥る可能性があります。身近な例を上げつつ、セルフネグレクトの対策も含めて考察します。

起
セルフネグレクト問題

セルフネグレクトというのは、自己放任。つまり、自分のことを放っておくということです。このセルフネグレクトというのは様々な場面で当てはまるものがあると言えます。

セルフネグレクトの例
  • 部屋や家のゴミ屋敷(衛生面)
  • 虫歯・病気を放ったらかし(医療面)
  • 偏った食事・肥満・睡眠不足(生活習慣)
  • 他人に搾取・利用されてばかり(人間関係)
  • 行きたくもない仕事や会合に参加(コミュニティ面)
  • 服装や身だしなみに無頓着

要するに自分を大切にしていない、自分を過小評価している、自分を犠牲にしていることがセルフネグレクトの特徴と言えると思います。

健康や精神に悪影響を与える環境にも関わらず、そのままにしていることで結果的に自分が一番損害を受けています。でも、それに気が付かずにどんどん悪化していくのです。

例えば、ゴミ屋敷などは単純に不衛生で病気や害虫が発生しやすくなるので、リスクが高まりますよね。「病院嫌い」という頑固なお爺さんも似たような感じで、素直にちょっとでも異変があれば病院へ行っていれば、軽い処置で済むのに意地を張っていると重症化しやすいです。行きたくもない会社や会合・飲み会に無理して行くのも自分を犠牲にしていますよね。無理せず環境を変えるべきです。服装や身だしなみに無頓着というのも、自分を良く見せようとしないことは、異性や関わる人に好感を持たれる可能性を減らしています。

承
利己主義と利他主義の正負は表裏一体

セルフネグレクトの怖いところは、一見して自分を犠牲にしても他人が喜べば良いというような利他精神が美化されて混同されることです。

自分の身が可愛くて何でも自分が得をしないと気がすまない利己主義(自己中心的)もなかなか嫌われる傾向にありますので、こうした背景から気がつかないうちにセルフネグレクトに陥ってしまうことが多いのです。

利己主義にはしり過ぎて、自分のことばかり考えているのも問題ですが、利他主義を貫いて自分を犠牲にし過ぎるのも問題なのです。

自分だけでなく他人にも損害を与えていることも

セルフネグレクトはそうした利己主義と利他主義のせめぎ合いに生まれた状況であるとも言えそうです。セルフネグレクトによって自分を犠牲にしているだけではなく、自分の周囲の人々も不快な思い・心配な思いをさせていることが多いです。

セルフネグレクトで困るのは自分だけではない
  • 家の中を汚されて一緒に住んでいる人が困る
  • 体調不良の世話をしなければならない
  • 身だしなみが酷く一緒に居るのが恥ずかしい

セルフネグレクトは自分だけが我慢・制限していれば良いと本人は思っているかもしれませんが、周囲の人々にも我慢・制限をさせてしまっているのです。

自分をしっかり管理できない人が他人を管理できるか、というと容易に想像がつきますよね。自分を管理できない人は他人を管理するなんて難しいでしょう。

自分の時間を犠牲にするが、大切な人が喜んでいる姿を見ることが嬉しくてリターン担っている場合は、自己犠牲しても良いと思います。しかし、単に時間と労力も奪われるだけ奪われて、自分も楽しめず、誰にも感謝されず、嫌々やっているようなものは利他の精神とはいえ、長続きしないので避けるべきです。

転
セルフネグレクトの対策

セルフネグレクトの対策を考えてみましょう。自分自身のセルフネグレクトの帽子を考えるとなると、自分を俯瞰して冷静に見つめ直すことだと思います。

ここからは僕なりの解決方法ですが、自分の生活や環境は理にかなっているかどうかを物理的・数値的に分析することです。こうすることで、感情や固定概念に左右されずに判断ができるのでオススメです。

具体的に言うと下記となります。

合理性を徹底してセルフネグレクトを防ぐ
  • 部屋が散らかっていると物を探すのに非効率、生活スペースも圧迫されるので片付ける方が快適である。
  • 虫歯や病気を放っておいて重症化したときの医療費や健康に悪影響よりも、初期治療した方が医療費も時間的負担も格段に縮小できる。
  • 食事管理・適正体重・十分な睡眠をすることで、仕事のクオリティも上がり、生活の快適性も上がる。
  • 他人に利用されると自分の時間や労力を失う。時間と労力はお金と同じ。時間と労力は自分が納得したものに使うべき。相手の成長機会も失われる。
  • コミュニティが自己成長や知識の成長ではなく、単なる利害関係やしがらみになってしまっているのであれば、メリットがないので、所属したくもない組織からは脱したほうが良い。
  • 身だしなみは重要。人の印象は見た目で大体が決められるから。好感を持たれた方が良い関係性になれる可能性も高まり、良い情報も集まる

楽をしたい気持ちで、ついつい怠けがちですが、冷静にメリットを明確にしてメリットがあって良いと思えることを着実に行っていくことが重要です。

常により良いものを求める姿勢、改善をしていくことを習慣づけするということも人生を豊かにする大きな要因になるのでしょう。

結
セルフネグレクトは自分が自覚すれば解決可能

セルフネグレクトは自分が気づかないうちに陥っている場合が多いです。自覚すらないので、問題なのです。セルフネグレクトの人を治そうとするのは非常に難しいです。

自分で気づいてもおらず、気づいたとしても自分で直すことがなかなか難しいため。他人がどうこう言ってもなかなか難しいのです。しかし「もっと自分を大切にした方が良いよ」というメッセージや気づきのチャンスを与えることはできるはずです。

自分を大切にすることを気づかせる、自覚させることがセルフネグレクトを改善させることに繋がります。自覚をしても直ぐには治らないかもしれません。自分がセルフネグレクトであると自覚した場合は周囲の人々の協力を得て改善に努めること、周囲の人でセルフネグレクトの症状がある人に協力をしてあげましょう。世の中からセルフネグレクトが少しずつ減っていくはずです。

自分を俯瞰的に「もっと自分を大切にしよう」と見つめ直すきっかけでいつでもセルフネグレクトは解決できます。僕のように冷静に数字的・物理的・合理的に分析をして「もっとこうした方が、僕自身良いよね。」と分かるような判断基準を作っても良いでしょう。

あなたは一番大切なものを自覚していますか?

セルフネグレクトとは言えないかもしれませんが、つい家族や身近な人をぞんざいに扱うということをしていませんか?

つい人間なぜか自分の身近な人をないがしろにして、時々しか会わない他所の人に気を使う場面がある。

僕が最重要視していることは自分の側にいる人を大切にすることです。僕は身近な家族が一番大切で自分自身と同じくらい気を使うべきだと思います。自分と一番一緒に居て、自分が一番信頼できて、自分が一番好きな存在のはずだから。自分の身近な家族を大切にできないことはセルフネグレクトにもなると思います。

セルフネグレクトを打破するために家族を大切にしたい、家族を大切にすることで自分自身も幸せな気持ちになりたいと思います。

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