国産最高峰ウイスキー響を使って、モルトドレッシングという靴のケア、いわゆる靴磨きを行いました。
ちなみに本革の靴磨きをするのが初めての初心者です。「超高級国産ウイスキーのモルトドレッシング」と「靴磨き初心者が靴磨きしたら」という目白押しですが、さてその結末はいかに。
モルトドレッシングとは何ぞや?響とは何ぞや?
モルトドレッシングとは
革靴ブランドのスコッチグレインが推奨する靴のケア(靴磨き)方法です。ワックスやポリッシュ(油性クリーム)にウイスキーを少量混ぜて使う事をモルトドレッシングと言います。モルトドレッシングには安物というかそんなウイスキーを使用するのが通常です。
モルトドレッシングの効果はその香りと趣を感じつつ、靴磨きが楽しくなりますね。また鏡面仕上げ(ハイシャイン)にはワックスと水を使用しますが、その水の代わりにウイスキーを使用すると水のつけすぎによる失敗が起こりにくくなります。またアルコールが油性ワックスを柔らかくして平らにコーティングできることで、光沢を出しやすくします。
響とは
日本国産にしてサントリーが誇る最高峰ウイスキーです。普通に飲んで楽しむためのお酒です。そんな貴重なウイスキーを使用してモルトドレッシングを行います。
ちなみに靴磨きの対象となるのは、国産ブランドのスコッチグレインの靴です。「スコッチグレイン×モルトドレッシング×響」という式です。
スコッチグレインの靴でなおかつ相性が良いであろうモルトドレッシング、そしてドレッシングには国産最高峰のウイスキーを使うわけです。
国産の最高峰のウイスキーをそれまた国産の革靴に染み込ませるわけですから、最高になるのではないかと。
本題の靴磨き
靴磨きの工程は、下記の動画がとても参考になります。
日本一の靴磨き職人の「磨き」をノーカットで的確な解説も入れながら紹介しています。靴磨き職人でこれほど見せてくれる人は居ないでしょう。
素人が適当にやるよりもこの動画を見て必要なもの、必要な工程を学び、動画を見ながらミラーリングで動画を見ながら進めればイイ感じに仕上がるはずです。
必要なもの(工程)
1. 馬毛ブラシ(塵落とし)
2. 固形&水性クリーナー(汚れ落とし・ワックス落とし)
3. クリーム(栄養・保湿)
4. 豚毛ブラシ(クリームを均一にのばす)
5. 布(乾拭き用・余計なクリームを取る)
6. ポリッシュorワックス(つや出し・鏡面仕上げの下地)
7. 布(水をつけて・ワックス少々で磨き上げる・鏡面仕上げ本番)
※モルトドレッシングはこの時、水の代わりにウイスキーを使用する
8. 山羊[ヤギ]毛ブラシ(水またはを少量、ワックスの境目ボカし・光沢)
9. 布(水少々つけて拭き)
私の使用アイテム
靴:スコッチグレイン HA-9046
ブラシ:馬毛・豚毛・山羊
汚れ落とし:エム・モゥブレィ ステインリムーバー
クリーム:BOOT BLACK (CHESNUT)
油性クリーム(ワックスorポリッシュ):BOOT BLACK (MALT BROWN)
手入れ前
表面の感想や擦れ跡が気になりますね。
クリーム後
しっかりと汚れを落としてクリーム入れるだけでも革が皮がモチモチふっくらして光沢も出て来ています。
ポリッシュ(ワックス)後
ハイシャインを行う事で見た目が良くなることは勿論、スレ傷や革へのダメージを軽減するプロテクト効果もあります。
レザーソール(革底)のケアもしましょう
革はアッパー部分だけではありません。足底も同様です。
行う工程は下記です。
1. 汚れ落とし
2. 保湿
3. 押し込み
汚れを落として保湿・栄養を与えるまでは一緒ですが、最後に革を整えるのに押し付けていきます。水分で革を柔らかく広げた後、押し込むことで、表面の革を整え、使用する際にも優れた履き心地となります。
私の使用アイテム
汚れ落とし:エム・モゥブレィ ステインリムーバー
保湿:革の達人【極】
手入れ前
マメに手入れをしている方だと思いますが、数日間履くと乾燥や汚れがありますね。
手入れ後
押し込みがあまいですが、汚れが落ちたのは勿論、潤いと表面が滑らかになったのが見てわかります。
靴磨きはハマる!レザー好きには苦にならない作業
レザー好き・エイジング好きの私にとって、財布やカバンのレザーのケアは当たり前に行ってきましたが、同じ革でも靴でこれほどまでに奥が深いとは思いませんでした。
つま先の焦げ具合や光沢などやはり熟練の技があることを痛感しました。初心者ながら健闘したと自分でも思いますが、今回初めて靴磨きしたものを見るとつま先のポリッシュ(ワックス)のムラを感じますし、磨いている最中も思ったよりも靴が扱いづらく、プロの方のように素早く要領良く進められませんでした。
やはりプロの靴磨き職人は凄いです。ただ、何というか趣味としても一芸としても靴磨きと鏡面仕上げができる男って格好良いのではないかと思いました。高貴なたしなみというか、靴磨きに見る何かがそこにはあります。
靴磨きにすっかり魅せられてしましましたね。初めて鏡面仕上げした割にはそこそこ光って自分の中では良かったです。全然光らず、下手すると磨く前よりも不格好になるのではと不安もありました。
靴磨きにお気に入りのウイスキーを使うモルトドレッシングの楽しさも感じられました。一度靴磨きをすると要領や所作が分かってきましたので、次回はもっと上手く靴磨きができそうです。