費用対効果=コストパフォーマンスという言葉は、皆さんご存知だと思います。支払ったお金に対する商品やサービスの満足度というのが具体的な言い方ですね。
最近では、時間対効果=タイムパフォーマンスが意識されていると言われています。掛けた時間に対する満足度と言えるでしょう。
若者でもZ世代(1996〜2015年の間に生まれ)が「タムパ」と略称しているとかいないとか。
時間対効果を略す言葉として「タイパ」と「タムパ」が登場していますが、結局どっちなの?と思いませんか。 せっかく「コスパ」に次ぐ良い言葉なのに、この「どっち使えば良いの?」問題は普及に足を引っ張る気がしてなりません。 筆者 …
今回はどうして時間帯効果=タイムパフォーマンスへの意識が高まっているのか考察していきます。
時間に対する価値観が大きく変わってきた
タイムパフォーマンスが重要視されているというのは、要するに時間に対する重要性が増してきているということです。
特に若者Z世代(1996〜2015年の間に生まれ)が時間対効果という言葉を使っていることに注目しましょう。現在も学生もしくは少し前まで学生だった世代の人々がなぜ時間対効果を意識しているのか、「学生はお金はないけど時間がある」という認識がありますが、そんな学生がなぜ時間を気にするのか。それは、時間の過ごし方が多様化したからです。
従来の友達付き合いや交際、学校に加え、YouTubeやTikTokなどのSNS、ゲーム、サブスクリプションの動画サービスや電子書籍など魅力的なプラットフォームが多数登場し、それらは容赦なく人々の時間を奪っていきます。
Z世代は生まれたときからインターネットが身近にあり、多くの情報量に触れ、SNSも当たり前のように使います。
時間を持て余して仕方がない世代
そうした世代と比較して、年配の先輩方の時間の使い方を見てみると、「仕事を辞めてからやることがない」「週末やることがない」「時間が余る」と逆に時間をどう潰そうか悩んでいる人々もいます。
「時は金なり」という言葉がありますが、時間を潰している人は、一度しか無い人生(時間とお金)を捨てているに等しいです。厳しい言い方ですが、時間の過ごし方は誰も与えてくれません。時分で見つけて自分で有効に使うべきです。
暇だからパチンコに行く、朝からお酒を飲む、、、別に本人が幸せなら良いのですが、僕はもっと家族だったり大切な人との時間に使いたいと思いますね。それでなければ読書や音声もしくは動画の学習などです。気晴らしにゲームでも良いと持っています。ちょっとお金と時間を費やしてパチンコや朝からの飲酒して一日を棒に振るのはやはり考えられません。
もちろん人それぞれですよ。(これでフォローOK)
人々が成熟して「時間=お金」ではなく「時間>お金」となってきた
昔からお金持ちは時間を大切にすると言われていました。時間の大切さを知るからこそお金持ちになり、裕福な人は時間に余裕があるようで、様々な事業や投資先、資産運用をしているので、時間をフルに活用しているのですよね。
裕福な人々にとっては、お金はあるが、人生は代わりがないのですよね。時間は誰にも平等です。
現代はインターネットのレビューや情報開示によって、安くて品質の良い商品やサービスのみが残っている傾向です。商品で言えば、もともと高額商品だったものと同等の機能のものが半額以下で手に入ることが増えてきました。
100円均一ショップでも長く使える商品があったりとコスパが良いことがもはや当たり前になりつつあります。
そんな安くて良いものつまり、コスパの良いものが身の回りに当たり前に溢れてくると、次に目が行くのは時間対効果の良いものです。
動画や音声を倍速で再生して少ない時間でより多くのコンテンツを次々と視聴するのもタイムパフォーマンスと言えるでしょう。
時間>お金 になってきている
今はインターネットで多くの娯楽・学習が可能です。時間がある限り無数のインフルエンサーの動画やSNSを見ることができますし、一流のビジネスマンのマインドに触れて学ぶことも可能です。
知識への投資は単純なお金の投資よりも数倍・数十倍・数百倍以上の効果をもたらすと言われています。経験や知識への投資に必要なのは時間です。
正しく学ぶことができれば、単純な労働で得る時間よりも遥かにリターンが大きいのです。
今や時間をどこに投資していくかが人生の成功を決めると言っても過言ではありません。時間はお金よりもはるかに価値のあるものになっています。
そう考えると、やることがなく暇すぎて嘆いている年配の人々と時間が足りなくて困っている若い世代で時間に対する意識の高さの違いも気になるところですが、若い世代は非常に成熟が早いことが見受けられるでしょう。
成熟した若い世代は時間の投資によって未来をスケールして変えることができることを知っています。まるで一流ビジネスマンに匹敵するくらいの時間に対するマインドを持っているのです。
「時間を投資する者」と「時間を消化する者」
私は年配の方が仕事を退職した後に「やることがない」「毎日時間が余っている」「毎日が暇」という言葉を聞いて、非常に勿体ないと思っています。そしてそうした人々が考えつくのは、誰でもできそうなパートをして最低限の賃金を得ること。でもそれってもう自分の人生を消化しているようなものではないでしょうか。
「休日があってもあることがなくて困ってるんだよ~」と開き直って言ってくる人に対して、苦笑いで「はは….、そうですか」と返している私です。 ぶっちゃけ、休日にやることが無く、暇な人って平日の仕事も暇そうな印象を私は持ってい …
何もしないよりは悪くはないですが、例えば、運動をすることや、料理や栄養学の勉強をしてみるなど自分の健康への投資をすることも良いのではないかと思います。健康へ投資した方が人生長く体調も良く、医療費なども減らすことができます。
若者の中にも同様に時間を消化している人々はいます。まともに仕事や家事をすることもなく、ダラダラとTikTokなど見て時間を消化ています。若者で未来もあるならSNSを見ても何もスキルはつきません。
マネタイズもできず、今後の拡張性もないゲームをただプレイして時間だけを消費している人々もいます。
他人との比較や執着が増えていくだけで、SNSで時間を消費している自分が更に惨めになっていくだけです。時間を正しく投資できない人ほど、選択肢は減っていき、思考も狭まります。このままではいけないことも気づかずに現実から目を背けて誰でも代わりが利く自分に成り下がっていきます。
時間の投資の仕方で格差社会は広がっていく
これまでも例えば勉学に時間を投下した人が、偏差値の高い学校に進学し、比較的収入の高い職業または社会的地位の高い業種へ就いてきました。
スポーツでも一流と呼ばれるまでにその種目の練習に時間を投下してプロと呼ばれる選手になりました。
かつては生まれた場所や周りの環境の有利不利が現在よりも強くありました。都心の方が塾や予備校など充実していますし、ビジネスマンも集中していました。集まる情報も多かったです。
現在はインターネットにより意欲さえあれば、自分で様々な知識を得ることができ、以前よりも遥かに多い選択肢があり、何に時間を投じていくか迷うくらいです。
時間を投じることで知識が深まり、自身のスキルも増えていくことは今や当たり前のことです。単純に時間を切り売りして誰でもできるような労働で報酬を得るよりも、自身に時間を投資してスキルやマインドを手に入れて、少ない時間で多くの報酬を得るようにスケールした方がタイムパフォーマンスは高いと言えます。
昔も時間の使い方で格差が生まれてきましたが、現在は更に時間の投じ方で格差は益々広がっていきます。
人々はお金やモノよりも時間が大切になることが当たり前になる
現代はモノが溢れた時代です。インターネットの普及により、ある程度良いものが安く、手に入るようになり、物持ちも良くなりました。
その分何か物を買うことも減り、お金を使うことも減っています。残業をして時間を切り売りするよりも早く家に帰って趣味や家族との時間を過ごすようになっていくでしょう。
モノやお金への執着は減り、体験や経験・知識・マインドを重要視するように人々はシフトしていきます。若い世代の中で流行っている「FIRE」という言葉もまさにそうです。「早期退職と経済的自立」という意味ですが、若くしてまだまだ働けば稼ぐことができるのに、生活に必要な資産と利回りがあれば足りるということで「自由な時間」の方を求めています。
それに比べて、年金暮らしができるのに時間を持て余しているからとパートで安月給を得ようとする高齢者もいるのは対照的ですね。悪いことではないですが、恐らくその世代の方は時間の使い方のバリエーションが少ないのだと思います。時間を投資する概念がないのだと思います。若い世代の方が時間に対する思考が成熟しているように思えます。
今後は副業・複業が当たり前となり、「就業時間」と言われる8時間で1つの本業だけでなく、いくつもの仕事を並行して行って資産を築いて早期リタイアして自由を手に入れる人々や、8時間どころか1,2時間で複数の仕事を行って後は悠々自適という人も現れるでしょう。
「〇〇時間会社に出社して仕事をしたら月末に給料が貰える」という概念はなくなり、より短くもしくは、同じ時間の中でより多くの仕事とその報酬を得るようになっていきます。時間さえあれば、報酬はハネ上がり、家族や自分の趣味にも没頭できる。時間さえあれば幸福度をいくらでもスケールしていくことができる時代です。
時間はお金やモノよりも遥かに価値が上がります。その時間を有効に投資していく方法を知っている人と知らない人とでは、今後更に資産的にも自由な時間や幸福度にも格差が広がっていくでしょう。それでは|彡サッ