世の中訳のわからない資格が溢れていますね。資格にも職務を左右するような資格もあれば、あまり実用的ではなく、自己満足レベルの趣味の世界のような資格も多いです。
自分で満足している分には自己肯定感にも繋がり誰にも迷惑をかけないのでですが、資格を取得したことにより「その資格、プライドだけ高くなって周囲が困惑してますやん」みたいなものもあります。
資格で自分のキャリアを左右しますか
資格を取得することで一番得をするのは自分でなければなりません。自分が時間をかけて一生懸命勉強して取得するわけですから。英検やTOEICやTOEFLを大学の受験や会社の就職試験で線引きがあったりしますよね。
その資格を取得することで就ける業種が変わる、もしくは会社内の昇進に関わるということであれば明確に意味のある資格です。
しかしながら、悲しい事に資格をビジネスにしている人も少なからずいます。試験料や教材などで儲けようとする人々です。資格保持者ではなく、資格試験運営側が利益を得ようとするものもあります。
資格試験を商業化してしまうと広く浅くとなる傾向にあります。「こんな資格持っているんです」と言っているけれども、何か生活や仕事に活かしているわけでもなくなるわけですよね。
しかしながらキャリアを左右する・しないに限らず、私は資格取得を目標として勉強することとは悪いことではありません。学ぶことは大変良い事ですし、その目標として資格を取得することは良い事だと思います。資格によっては一般的に認知されていないものもありそれは自己満足に近いものになります。
そうした資格を自分の範囲だけでなく、他人に「私この資格持っているから、エライ!」と押し付けるのは避けた方が良いでしょう。資格の有無に限らず知識のある人や技能のある人がいる分野がありますので、マイナーな資格ほど自分の中だけで留めておいた方が良いです。
自己満足もしくは、思い込みの怖さ
国家資格や職務に関わる資格を除いて、これはどうだろう?と思う民間資格について述べていきたいと思います。
資格というのは恐ろしいもので、誰かに認めて貰ったということで自信がつきます。自己肯定感を高める分には大いに行って欲しいのですが、自分の取得した資格を過剰に評価してしまいがちです。
自分が一生懸命勉強して取得した資格ですから価値があるものと思い込みたいのですよね。資格を持っていない人よりも分野において自分の方が上だと思うでしょう。この資格を取得した際に学んだ内容は正しく、素晴らしい知識を得たと思ってしまうのも無理はありません。
この資格を取得するために学んだ知識の習得を資格取得することで認定された。この資格を持つことで専門家と対等に渡り合えるようになった、資格の持たない人に意見を言うことができると。
そうやって、世間や周囲との認識がズレて、取得した資格を過大評価するとちょっと周りが困惑するので注意しましょう。
民間資格すべてが悪いという意味ではありません。民間資格でも職務に関わる重要なもの、有益な知識を得られるものは多くあります。一部の趣味の世界のような民間資格を一般世間の認識以上に自分の中で過大評価しないように注意が必要です。
資格を得ることで自己肯定感やプライド、知識を深めるといったあくまで自分の内に秘めておくことができる分には良いですが、資格を他人にアピールする行為や他人に自分の知識や意見を押し付けるのは正直周囲が困惑します。
短期のテキスト勉強と長期の実践は別物
例えば、短期でテキスト勉強してある分野の資格取得をして天狗になっている人と、メーカーでバリバリ現場を長年つとめてきた無資格の人とで意見がぶつかることもあるとします。
資格保有のマウントを取りながらテキストに書いてあるような理想論を唱えて指摘、メーカー現場の人は製造環境や会社の長年の経緯、コスト面など物理的に無理があると困惑します。
資格保有者は、自分の資格にプライドもあるので、「いや、やってください」と具体的な案も出さないでただ面倒な人になってしまいます。
知識や勉強したもので頭でっかちになり、実際の環境や物理的な面で柔軟な対応策を練られなくなってしまいます。仕事をする上で大切なのは、相手の立場になることです。
資格を保有によって製造工程の理解や、具体的な解決策を言えるのが理想的なのですが、資格を持っているという変な知識とプライドで空回りして現場をかき乱してしまいます。
短期間のテキスト勉強で取得できてしまう資格では本質的に分野を理解するのは難しいと思います。実践しないと分からないものも多いはずです。しかし資格保有=知識があるという勘違いをしてしまい、現場レベルの理解と大きな乖離を生んでしまうのですよね。
短期のテキストと長期の実践で得られる知識や経験は別物です。また資格は自分の主張を強めるための道具ではありません。その分野や相手の立場をより理解するためのものです。
資格を誇張し過ぎない
タイトルでは『意味のわからない』なんて書きましたが、絶対に意味があるはずです。少なくとも資格を取得した本人にとっては。しかし取得した資格は振りかざすものではありません。
資格には2種類あります。
- その資格がないと就けない職種や職位があるもの
- 趣味のレベルに近いもの(自己研鑽)
取得してしまった資格よりもむしろ、取得に向けた過程での学習や興味関心といった意識を高めていたことに意味があるのではないでしょうか。
「この資格を取得したことによって、私は有識者だ」と変に力を入れて頑固になっては、周囲が混乱します。深い知識を持つこと柔軟な対応ができるはずです。
知識や資格を振りかざして融通が利かない、周囲を振り回すのは能力がないことを露呈しています。知識を活かして様々な意見に理解を示して柔軟かつ円滑に物事を進められることが賢いでしょう。
私は自分から「この資格を持っていて~」と言うのは避けた方が良いと思います。周囲も単なるマウント行為としか思わないでしょう。まして資格と関係のない業種でその資格自慢をしてしまう人が居ます。
聞かれた時やちょっとした時にポロっと「実はこんな資格を持っている」というくらいが丁度良いです。資格を持っていると言いたいことがゴールではないですし、その資格を持っているからと言って未来永劫にその分野で生きた見識を持ち続けられる訳ではありません。
資格を取得したからといってそこで満足して「資格持っています」だけ言っていては意味がありません。その資格を現在進行形で活用ができているのか、現場の実状に沿った知識なのか実践するべきです。
その知識を常にアップデートしているのかどうか、その知識によって自分だけでなく周囲の人々が助かっているのかなどもっと深く先のことを考えなければいけないのではないでしょうか。