新しいビジネスリテラシーとして『電話をかけるな』『電話がかけられても応答しない』という意見を聞く。

“ホリエモン”こと堀江貴文氏も電話嫌いで有名で「電話してくる人とは仕事するな」という持論が話題を呼んだ。その他ビジネスの賢人と呼ばれる人々も同様な意見を口にされている。私もその意見に完全同意する。ただし、電話が必要な場合と電話が不要な場合など節度をわきまえた上での事だろう。

例を挙げながらこれからの新しいビジネスリテラシーについて考える。

起
電話を掛けることで何が起こるか

主にビジネス関係でのケースを考えると、電話を掛けることであらゆる【時間】を奪うのだ。

まず自分が電話をかける分には良いが、相手はどうだろう、今の時代ノートPCやスマホでどこでも仕事や娯楽ができるようになったのに電話が掛かってきたらまず、相手は進行中の仕事や娯楽を中断しなければならない。そして電話をした後も気を取り直さなければならないのだ。相手の時間や気持ちの集中を奪い拘束する。

電話で直接話すとなるとテクニックと考えがちな世間話、これがまず無駄なのである。また話がまとまっていない場合や、直ぐに判断や返答が難しい事もある。時間を拘束されながら悠長に聞き手・話し手を交互に繰り返しているのは時間の無駄である。

ビジネスや連絡事項的なやりとりはメールが適しているのだ。実際にデキる人間はメッセージの返答が早い。テキストメッセージの方が双方とも情報を整理して意見の交換ができる。後から見返しすることもできて確認もできる。

パソコンのメールやLINEなどのメッセージを打つのが遅いや面倒くさいので電話の方が良いというのは自分の能力の無さを棚に上げた言い訳。時代についていく努力をするべきである。

電話をかけあっている関係性は正直賢いとは言い難い。

 

承
関係性と内容による:親密なら電話OK

何も電話がすべて悪いわけではない。電話すべき事としなくても良い事がある。それは双方の関係性にもよる。

例えばビジネスとは異なり内容はさほど関係ない場合、つまり家族や恋人や親友など親密な関係の人とたわいもない内容でも“繋がっている感”を得る事でお互いが幸福に思える時間に関してはメッセージよりも電話の方が良い。

場合に問わず緊急な事もまず電話するべき。身の振り方など込み入った話もテキストではなく直接会えない場合は電話するべき。身体的もしくは高齢者の場合は通話の方が良い場合もある。一般的な常識の範囲内で電話とメールのボーダーラインはある。そこは大人のマナー。

やはりビジネスなど事務的なことは、電話(音声)ではなくメール(テキストメッセージ)がふさわしい。話の内容が重要なことなどは緊急でなければメールが良いだろう。

相手は準備ができていない

電話はかける側は事前に整理でき、会話の進展で何通りか話す内容を想定もできる。電話の受け手はまず思考を切り替えながら何の話だったかというところから始まる。これがもし買い手・売り手など立場の優劣があればどうだろう、強い立場の買い手が売り手に無理難題の納期やコストを一方的に言う形もあるだろう。

電話を掛ける側にとっては都合の良いタイミングで都合の良い内容を話せて有利だが、電話の受け手からすればタイミングの問題と後手となり都度判断をしなければならず不利となる。

ホリエモンの『NO TELEPHONE』 

堀江氏がついに楽曲にした。電話自体は一概に悪いものではないが、無駄な電話嫌いな私としてはこの曲はまさにテーマソングである。この曲はこれから先評価されるであろう。相手の身になれYO!

 

転
メールやLINEなどメッセージを活用すべし

私の考える不毛かつ時間の無駄なやり取りは「あの時こう言いましたよね?」なんて電話で 言った言わない の話である。そんなに重要なのであればメールでCC関係者含めて念押ししておくべき。

電話を掛けて自分の聞きたい事を聞き出すのは良いが、話した内容を自分都合の良い方向に事実を曲げて受け取る人間が存在する。そういう人こそ言った言わない でよく揉める。メールの方が客観的に見ることができ、CCで他の人の見解も伺うこともできる。電話という閉鎖的・拘束的なところでビジネスの話をするのが間違い。

緊急の事ではない限り電話なんて無駄や誤解の原因になるものはするべきではない。今の時代どこでもメッセージの送受信ができるようになったのだから、わざわざ電話する必要などない。双方の都合の良い時間にメッセージのやり取りをすれば、お互いに時間を無駄にすることがなくなる。

メッセージだと残って嫌だという後ろめたい仕事をしている時点で論外、電話を掛けることで仕事をしていると自己満足するのも論外。メールだと伝わらないというのも、文章力をつければ大概の事は伝えることができる。

 

結
電話は相手の時間を奪う。だからこそ相手の利益になる配慮を

電話の受け手にとってよほど嬉しい知らせでない限りは損な事が多い。電話を掛けて愚痴を聞いてもらうなんて余程時間の無駄だ、相手が。内容はともかく声を聞いているだけで“お互い”が幸せな気持ちになれる親密な関係であるならダラダラ電話すればよい。

電話をかける場合は相手に有益な情報も伝えよう。自分が聞きたいことを相手のタイミングも気に掛けず電話を掛けて聞こうなんて図々しいにも程がある。

一方的に言いたいことを言うのも厳禁。緊急の時は仕方が無いが。

受け手からしても「この人はこちらの意見を聞かない」「メールで聞けば済む内容だろ」「この人と電話しても自分が損するだけ」と思われれば着信を受け取って貰えなくなる。

そういう思いをしている人は別に無理して電話に出る必要はないと私は思う。電話が来ても気づかないキャラクターを確立させれば良いだけ。

これからの時代は電話をかけるだけでイラっとされることが普通にあるだろう。有限かつ平等に与えられた大切な時間を有意義に過ごしている人ほどメールで済む内容の電話はされたくない。だが、しかし実は電話掛けたりするオチがつく。

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