「少し知恵をつけた素人が一番タチが悪い」という話をしようと思います。きっとあなたの仕事場にもこんな人が居るはず。専門家の意見を無視して、我流の付け加えをしようとする人。

そして大体その付け加えが余計だったり、万人受けしないものになって残念な結果になることがあります。どうしてそのような事が起こるのか紹介していきます。

 

起
素人がヘタに知識をつけると裏目に出る

結論から述べていきますと、素人に毛が生えた程度の意見を聞くと事故にしかならない。

素人に毛が生えた人が起こす悲劇
  • 専門家の意見が台無し
  • 毛の生えた素人は盲目(自分の知識を過信)
  • 冷静に分析する人が居ない悲劇

よく居るのがメーカーにお任せ丸投げで商品サンプルを頼んでおいて、後から何かと「ここをもっと・・・」みたいなことを言い出すタイプ。

状況を冷静に分析していくと、自分で規格書を作るのが面倒臭いので、メーカーに投げ、その後抽象的な修正をさせる。メーカーからすれば「最初からそう言えよ」という話で、工数も掛かり、そもそもメーカーというのはその道のプロなわけですから、そこそこ筋の良いものを作るのに、そこに素人の個人的な意見を入れてかき回すのは裏目に出ます。

メーカーとしてもクライアントの要望であれば聞くしかなく、その通りに作り直す訳ですが、ここに冷静に分析や止めてくれる人の居ない悲劇が起こります。

誰にも否定・理論的に分析されることもなく、素人に毛が生えた意見がどんどん採用されて、目も当てられない商品になっていきます。

こうした毛の生えた素人は、少し自分が知識があるくらいで図に乗ります。そして理論も根拠もなく、自分の私情と混ざり合って「こうした方が良い」という謎の根拠で暴走していきます。

 

承
余計な味付けをすると裏目に出る具体的な例

何かの実験で、以下の実験をしたことがありました。

実験

①初めてカレーを作る人にカレールーの箱に記載されているつくり方通りにカレーをつくってもらう

②ベテラン主婦にカレーをつくってもらう

上記を食べ比べた美食家や料理人たちが試食をして美味しいと思ったのはどちらだったでしょう?

結果はダントツで①のカレーの作り方の説明通りにつくった方が美味しいという結果となりました。ベテラン主婦は我流で隠し味や付け足しを行ってそれが逆に減点となってしまっていたのです。

 

カレールーのメーカー各社はそれこそ旨味や調味料のバランスを熟知したプロです。そのメーカーがあみ出したカレーのつくり方は美味しく作れるに決まっているのです。

しかし「こうしたらもっと美味しい」という自己満足や自分の好みによって、大衆向けにはウケないものになってしまうという話です。自分の工夫やアイディアが良いものだと思い込みたい性質があることも示しています。

 

わかっていない人間に現場の意見を曲げさせるな

よくある例です。

若者が最近のトレンドを分析して、商品を提案したとします。その商品を見て、その会社のオーナーのお爺さんが「こんなものは売れん。もっと〇〇しろ」と流行りを取り入れた部分を全否定される場合。

この場合オーナーのお爺さんが先見の明が現役である人であれば、良いのですが、何の根拠もなく自分が気に食わないからボツとした場合は悲劇です。

専門家である美術家にコーディネートを依頼して、それに口出したりする人も居ますが、これも悲劇です。口出しするならもう美術家の作品ではなくなっているので、自分で最初からやれという話です。

 

転
専門家に任せるなら任せる、自分が口出しするなら全責任と全て自分で実行しろ

世の中には本当にこのような事故・悲劇が多くあります。専門家が進めてきたものを「自分の意見も何か入れてもらおう」というノリでぶち壊す人間もいます。

波風立てたくないので、周囲の人は何も言わないかもしれませんが、もうそれをやった時点で専門家の作品でもなく責任もありません。その口出しした人が責任を全て背負って最後まで完結させるべきです。

しかし実情は、専門家が進めてきたことを何の責任もなく、横槍を入れてる。その変更によって起こる不具合、結果が悪かったとしてもお咎めなしとなっているのではないでしょうか。

専門家に任せるのであれば、任せるべきであり、もし口出しをするのであれば、個人的な感覚や私感ではなく、データや数字をもって論理的にあくまで意見を言べきです。

「こんなのも良いんじゃない?」という安易なノリで工数を増やすようなことは避けなければならない。

口だけの人ほど自分では苦労しないので、メーカーにあれこれ指図だけはするのですよね。口だけで知ったようなことを言って、その指示の結果明らかに裏目であっても知らん顔。いつまでも是正されずにのさばっていきます。

専門家に任せる部分は任せて味付けしたい部分はできるだけ我慢した方が得策です。どうしても自分のアイディアぶつけたくなったら専門家に伺いを立てて、専門家から「いや、そうするとココの意味が・・・」みたいな感じだと引っ込めるべきですし、「確かにそれも良いですね!」ということになれば取り入れるべきです。

 

結
半端な知識は恥ずかしい、専門家に任せることを学ぶべき

半端な知識を持った素人は、自分がちょっとした知識があることを披露したい。変なプライドができてしまいます。少ない経験や思いつきから考えが凝り固まってしまい融通が利かない。

自分の「こうした方が良くなる」を過信・盲信してしまう。冷静な分析をしてくれる人が周囲に誰も居ないとエスカレートしていく。周囲に迷惑が掛かり続ける。

専門家がいる場合は、任せるのであれば任せた方が良い。もし譲れないコンセプトや仕様があるのであれば、それは事前に伝えるべき。全部前提条件や土台となる部分は事後連絡で修正してもらうよりも先に伝えて、専門家に組み立てして貰う方が効率的で専門家のモチベーションを下げずに進行できます。

専門家にサンプルや設計したものを後からひっくり返すようなことは、避けるべき。後からひっくり返すようなことをするなら全て責任を負うべき。

半端な知識を持った人というのは本当に知識を持った人から見ると滑稽です。「わかったような事言っているなぁ」と冷笑される程度です。「言っても無駄だしなぁ」と思われて専門家から愛想を尽かされたら、ただの素人の暴走モード突入です。

半端な知識を持った人は自分が立場的に強いと暴走しがちです。誰も止めてくれません。半端な知識のうえ、暴走は恥ずかしいのでやめましょう。ゼッタイ。

反対に請け負う側も余計な味付けや付け加えをするようなクライアント(依頼人)にはあまり関わらない方が良いです。「それはもう私の作品ではないので辞退します」という感じです。もちろん自分に自信があって落ち度のないクオリティであることが前提ですが。

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