結局世の中現場のクリエイターやメーカーが頑張ってくれるから成立していることが多いという話をしたいと思います。
外注先や発注先のクリエイターやメーカーが日の目を見ず頑張っているところで、そのクリエイターやメーカーから上がってきたものをプレゼンするパフォーマーが目立つ。
クリエイターやメーカーへの称賛は少なく、収益も少ない。しかしちょっと口先や見せ方の上手なパフォーマーが称賛と大きな利益を手にする。
このことについて考えていきたいと思います。
ビジネスを新たに作るわけでもないパフォーマーは不要
先程、クリエイターやメーカーよりもパフォーマーの方が名誉と利益を得ている話をしました。例えばアメリカApple創業者のスティーブ・ジョブズ氏を例にあげると、別に彼がiPhoneを作ったわけではない、彼が量産して世界に届けているわけではない、この記事のタイトル的に大したことないと言いたいところだが、しかしながら彼のカリスマ性と天性のプレゼンは人々を魅了する力があった。
彼が偉大なのは、創業したこと、新たな市場を切り開いたこと、未だ人々に知られていない商品の魅力を伝える能力が飛び抜けていたことだろう。
さて、話は変わって、既存のビジネスルートがあって、クリエイターやメーカーに指図しているだけの人はどうだろう。何かクリエイティブなことをしているだろうか。いや、していませんよね。
適当で抽象的な指示でなんとかクリエイターやメーカーに頑張ってもらっているのがほとんどではないだろうか。右から左のような仕事をして文章もしくは口頭で自分では何も実行せず、クリエイターやメーカーに投げて、その返しを待つのがほとんどでしょう。
買い手や上司に「ハイハイ」といい顔をして、クリエイターやメーカーに仕事を投げて、催促するだけの仕事に本来は価値も生まれず、称賛も利益も与えるべきではない。
ビジネスを新たに生み出すわけもなく、またクリエイターやメーカーに具体的な指示やクリエイターやメーカーから意見を吸い上げるなどの補助的な役割であればまだ理解できるが、一方通行的にただ指示や要求をするやり方であれば意味があるだろうか。
実情のクリエイターとメーカーは取り分が少ない
クリエイターやデザイナーは取り分が少ない。もっと過激な言い方をすれば搾取されているとまで言われています。ゼロからイチを生み出す創造力は唯一無二なものだが、それに価値を与えて売るマーケティング力がないと売上や利益を得ることができません。
割と知られていることですが、商品流通のパワーバランスは以下となっています。
最終購入者 > 販売者 > (仲介業者・企画者) > 生産者
買い手が有利な「買い手市場」というものが一般的で買い手や仕入れ側の権限が強く、また利益率も高い傾向です。生産者に関しては言ったものを作ってもらって当たり前・より安く・より早くという圧力が常にかかっています。
稀なケースですが、クリエイターやメーカー自体が余程に実力があり、その会社・その人にしか生産ができないもので、かつ自分でマーケティングをしなくても顧客がついている状況となれば「売り手市場」となっている場合もあります。
例えば、現代アートティストの絵が数千万円と高額な値がついていて、そしてそのアーティストに絵を書いてもらうのが行列待ち、もしくは余程のコネクションがないと購入不可となっていることもあります。ただ、そんなクリエイターは本当にほんの一握りです。
実情は「他のクリエイターやメーカーに仕事を移す」と半分脅され、値段は安く叩かれ、納期も急かされているでしょう。反対に言えば、仕事を安く評価・急がせても言うことを聞くだろうと思われているということです。
一方のクリエイターやメーカーは安い報酬で時間のない中対応し、もう一方は高い報酬でも行列待ちでマイペースという状況ですね。
実際は前者の方のクリエイターやメーカーの方が圧倒的に多く、そして消耗していっているということです。
安売りや買い叩きをしている方ではなく、それに耐えている方が優秀
クリエイターやメーカーは安く買い叩かれ、納期も短く設定されることが多い。それを強いている側ではなく、その無理難題に対応しているクリエイターやメーカーの頑張りがあって成立していることをまずは理解しなければならない。
常に無理を強いられ、消耗して、そこには持続可能性とは程遠いかもしれないが、耐えている。
常に厳しい状況に身をおいている方と、ぬくぬく努力もせずにぬるま湯にいる方では、身につく能力に差が出てくる。
今後はクリエイターやメーカーが更に優秀になり、自力で販売する力、安く買い叩かれることや急ぎの手配などの作業時間の圧迫から開放されるでしょう。
クリエイターやメーカーに丸投げして成長が止まっている一方、クリエイターやメーカーはどんどん優秀になっていきます。はっきり言いますが、現在既存のルート販売が成立しているのは、クリエイターやメーカーのおかげです。
クリエイターやメーカーの手厚いサポートやマーケティング、新しい価値を生み出すことができず、交渉ができないのは存在意義がありません。
もう少し存在意義と替わりがない仕事、更に発展させていこうとする努力がなければ何も進展がない。自分の仕事を他人に押し付ける。自分の要求を相手に押し付ける。うまく交渉したつもりでもそこには借りをつくってしまい、いつかは回収されます。
自分の利益を得るために他人の報酬を減らす者、そんなゼロサムゲームではスケールしていくことができません。
現場のクリエイターやメーカーを讃えよ
もっと現場のクリエイターやメーカーを讃えましょう。相手は下請け?外注?自分が買い手?そんなの関係ねぇ!小島よしお張りに。
本当に大切なのは、価値を生み出しているのはどちらなのか、換えのきかない仕事をしているのはどちらなのか、口先だけのしごとなのか実際に動いて生産しているのはどちらなのか、上っ面だけではなく、中身を見ないと話にならない。
- 安くするように値段交渉してくる
- 無茶な納期を設定してくる
- 「至急」と連呼する
安くすることは相手の生産者に対するリスペクトが無いことの表れ。安くして売るなんて誰でもできる施策です。安くするとクリエイターやメーカーの士気は下がるし、質も悪くなりますよ。
無茶な納期を設定することはまず、現場のことが理解できていない証拠であり、品質を犠牲にする行為。時間がない中で色んな事やるとミスが起こるのは誰でもわかるはず。
要求や要望のみを投げて「至急」と言ってくる相手。大体はその「至急」とか言ってくる本人が無能なことが多い。コントロールができていない。自分では何もできないから他人に急いでもらうことしかできない。計画性が無いこと、相手に対して配慮を欠いていることを公表しているようなものです。
「至急」と言うからには相手の時間を奪って、自分の依頼を優先させるように要求する行為です。至急と言ったからにはそれなりに責任も生じます。
見ていると「どうしてこれが至急なの?」といったものにまで至急と言い始める人が居ますが、そういう人の意見は後回しにしましょう。
現在は買い手が強い市場なので、クリエイターやメーカーが厳しい立場ですが、そうした環境に置かれて耐えた場合はクリエイターやメーカーは物凄く能力がつきます。今後は搾取されないようなパワーバランスになればと思います。
クリエイターやメーカーの方々、起こしましょう、革命を。下剋上しましょう。それでは|彡サッ