ひとりで収益を生んでいる自己完結の方は別ですが、ほとんどの人がグループや会社といった集団でビジネスを行って給料といった収入を得ています。

複数人で仕事するとなると担当決めや分担・分業することがあります。担当を設けることである部分に集中できるので、パフォーマンスを上げられる反面、これはむしろ効率悪いよねっていう分業も存在するのでその部分の紹介とその解決方法について述べていきます。

起
そもそも分担や分業の目的

そもそもの分業と分担の目的というのは・・・

  1. それぞれ自分の強みのある部分を伸ばす

  2. 一部の人に業務が集中し過ぎないようにする

つまりは効率化のためなのですよね。

例えば畑違いの仕事をいくつも並行して行っていると思考が散漫となって集中力もなくなるので、ある程度カテゴリーが近い仕事をやった方が効率的です。

一部の人に業務が集中し過ぎるのも問題ですね。単純に一か所に集中して渋滞してしまうと、全体の業務が滞ってしまう場合もあります。

しかしながら本当に正しい分業や分担を出来ている会社はほんの僅かだと思います。みなさんの会社やグループ、チームに置き換えて考えてみてください。心当たりは必ずあるはずです。

承
ほとんどの会社の実状(ジレンマ)

  • 余りにも細分化された縦割り業務

細かく担当を決めて、その担当外のことはまるで知らない、関知しないなんてことが起こります。細かく担当を分け過ぎなので、業務時間を持て余すのですが、特に周囲の業務を手伝うということもないです。細かい担当が増えると人員が増えます。でもその人員は自分の担当範囲しか行わないので、時間を持て余す。本来1人でこなせる業務が2人で行っているということはザラにあります。

  • 担当という名目のハードワーク

「担当」や「得意」という事だけで、何でもかんでも押しつけられるケースもあります。例えばPC作業が苦手な年配社員が居て、PC作業が得意な人に頼むなんてこともあります。その方が会社として効率的なのかもしれませんが、本来はPC苦手な年配社員が行うべき内容であり、努力してPCのスキルを向上させる必要もあります。まして、そういったPC苦手な年配社員が1ではなく2人に増えて寄ってたかって、PC作業が得意な社員に仕事を任せるようになったら、仕事を丸投げする人と本来しなくても良い業務を押し付けられる人が生まれます。

1人で2人分の業務量を押し付けられるということも多々あることなのです。

  1. それぞれ自分の強みのある部分を伸ばす

  2. 一部の人に業務が集中し過ぎないようにする

    上記の効率化が本来の目的だったのですが、それとはまるで真逆の効果を生む分担となっているわけです。この問題の原因は権限のある上司や経営者が現場の業務に関して把握しておらず、人員配置や業務分担の最適化ができていないことが考えられます。

    分担や分業がヘタクソだと業務時間を持て余してフラフラしている人員がいる一方で、業務過多になっている人員を生むことになります。

    経営側からすれば、時間を持て余していた社員にも給料を支払い、業務過多で残業した社員にも割り増しの給料を支払うことになります。時間を持て余している社員が業務過多の社員の業務を手伝うなど業務の格差を解消すれば、無用な出費はなくなります。

    あなたの会社でも居ませんか?同じ会社なのに『業務時間を終えたら早く帰る人』と『やたら残業をして遅く帰る人』それは人員配置が正しくありません。目標は皆が定時で同じ時間帯に帰ることです。個人の能力があり、時間当たりの業務量がこなせない場合は減給として給料に反映するべきです。時間当たりの業務量がこなせていないのに残業して割り増しで給料を得るということは絶対に避けなければいけません。

    定時までの時間内の業務量が多い人を高評価・業務量が少ない人を低評価する仕組みが必要です。もちろん担当や業務量の判断が難しいのでその部分評価するのが難しいジレンマがあります。

    転
    全員がある程度のことは自分でやる努力をしよう

    正しい分担や分業を行うにはどうするべきなのか、『“全員”がある程度のことは自分でできるようにしておきましょうよ』という事に尽きます。

    変に型にはまってしまうからどんどんその型の中で自分の都合の良いように楽なように更に担当範囲を狭めようとします。そうではなく全員が自分の担当範囲プラス周辺の業務をカバーできるような状態にしておかなければいけません。

    私が驚いた事例がDHLEMSといった荷物の発送をしようとした際に総務・事務の人に頼んだのですが、「いつもやっている人が今日は休んでいて・・・」と言って発送できないようなことを言われた時です。いやいや、荷物くらい何人も居るのだから誰でも出来るようにしておけよと・・・。結局私が自分でやりました。

    中には担当の人しかやらない方が良い内容もありますし、雑務的なことであれば誰でもできます。誰でもできるようなことは手が空いている人がやろうとすれば良いのですよね。

    他人がやろうとしてもできない仕事もあれば、やろうとすれば誰でもできる仕事もあります。

    A: 担当が慎重に進めている内容(他人が触れない方が良い内容)

    B: 誰でもできるがやらなければいけない雑務

    A’: やろうとしてもできない仕事

    B’: やろうとすればできる仕事

    全員がこのやろうと努力すればできる仕事をカバーしていこうよ、ということです。いちいち細かい担当で他人の仕事にせずに自分でサクッとやるのが本当にデキる人です。

    “全員”がやるとこに意味があります。誰かが怠けだすと頑張っている人の業務量が増えてしまうので、不公平になりますからね。まぁ怠けた人には相応の給料を支払えば良いだけなのですが、そうした人材を集めることと、そうならないような会社の仕組みが必要です。年功序列などがある分なかなか業務内容だけで評価をするのは難しいよねという話ですね。

    結
    分担・分業を理にかなうように最適化しないとヘタクソになる

    本来は効率化するために分担・分業しているのに、いつの間にか個々が楽をするために縦割りにして仕事の範囲や業務量を狭めていることもあれば、担当という名目で一部の人に仕事を押し付けて業務過多になっていることが多いです。これでは、人員も余計に増えるのに残業代が増えるという事態が起こります。

    まず個人が勝手な業務範囲を決めずに誰でもできるような内容は自分でできるようになりましょう。その上で、自分の手が足りない場合に分担した方が早く業務が進むのであれば分担するようにする。もしくは自分が手の空いたなら周囲の人の業務を手助けするなどしましょう。そして手助けした側をしっかりと評価する仕組み、手助けされた側にスキルが足りない場合はそれなりの給料と業務内容にするように最適化していかなければなりません。

    それらを正しく判断できる上司や経営陣の仕組み作りも重要となります。

    やってもやらなくても時間が経てば給料がもらえる仕組みであれば、楽をした方が得ということになります。業務を押し付けられた側は骨折り損となります。その仕組みこそがヘタクソな分担・分業になります。日本が長時間労働している割に経済が良くならない一因になっているのではないでしょうか。

    ヘタクソな分担・分業をやめれば、もっと人件費が減らせるし、人件費を減らさなくても業績は良くなっていくよねという話でした。日本経済をみなさんで良くしていきましょう。最後まで御読了誠にありがとうございました。

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