サスティナビリティーやサスティナブルという言葉が出てきて、企業のみならず、あたかも「クリエイターは社会的意義を考えろ」「クリエイターは社会貢献を見据えろ」みたいな話が出ているが、僕は正直懐疑的だという主張を敢えてします。絶対「そうだ、そうだクリエイターも社会的意義を持つべきだ」と言った方が印象が良いに決まっているけど、僕はそこの波には乗らないでいます。

起
クリエイターの貢献はまず自身と家族からが大切だと思う

クリエイターなどの個人に社会的意義や社会貢献、業界への貢献を考えようというのは難しい話だと正直思う。いや、最終的に規模が大きくなって行き着くところまでいって継続していくことを考えるとそうなのかもしれませんが、そもそも自分と家族の生活を成立させるクリエイターがどれだけいるかと思う。

日本は普通にサラリーマンをしていても給料は上がらずに社会保険料や税金は上がって、若い世代を中心に生活していくので精一杯というのが現状であり、かといってフリーランスや起業して生活費をガンガン稼げるかという問題もあります。

つまりは、社会貢献や社会的意義で飯は食えませんよね。自己中心的な考え方かもしれませんが、それでも僕は自分や家族が生活に困らない資産を築いて、子供に十分な教育を受けさせたいと思っています。親戚の子供が頼ってきて食事も食べさせたり、学校に通わせてあげたりしています。それも一人の人・子供を育てること自体が社会貢献ではないでしょうか。

社会的意義や社会貢献は絶対的に良いこと

クリエイターやインフルエンサーのトップ層で社会的意義や社会貢献をして貰える分には、どうぞやってもらって構わないと思っています。たくさん余っているでしょうし。

募金やボランティアなどを「売名だ」と批判する人が居るようですが、僕は募金やボランティアに関しては素直に称賛しますね。募金やボランティアなどの社会貢献には賛成ですし、実施している人を尊敬します。

でも「社会的意義や社会貢献を意識しないと駄目だよ」と駆け出しのクリエイターに最初から求めるのは酷ではないかと思います。

承
社会的意義や社会貢献は後からついてきても良いのではないだろうか

社会的意義や社会貢献は、僕はクリエイターとして自立して余裕が出てきてからで良いと思う。

社会貢献はおおっぴらにアピールし過ぎものではなく、こっそりとやるものだと思う人もいるもしれません。その人はその人でしっかり自分で人知れず社会貢献をし続ければ良いことです。

やはり良いことをしたら「いい事したね!」と褒められてもバチはないと思う。でも日本は、「売名だ」「ひけらかすな」「こっそりやれ」「バレずにやれ」などという批判が飛んでくる。そうすると本当に善意で募金やボランティアなどの社会貢献をしようとする人たちの足を引っ張るよう流れにして、どんどん利己的になって格差社会が広がっていくのではないでしょうか。

僕は社会的意義や社会貢献には全面的に賛成したい。でも条件やステージによると思う。僕の場合はまずは、自分と大切な家族が生活していける最小限の生活を手に入れることが大切だと思っています。そのために何でもしても良いということではなく、良識の範囲内で。

身近に社会的意義や社会貢献がある

自分とそれ以外の家族、そして子などの若い世代に学力や知識などを伝えて才能を延ばしてしくことも社会貢献だと思っている。それ以上は、確かに公に向けての社会的意義や社会貢献を意識していきたいと思いますが、それこそ他者が貧しくても自分だけは豊かでありたいのか、自分の必要最小限の取り分を得て、その他は他者に取り分を与えるかは倫理観の問題でもあります。

セコいヤツはどんなに自分が豊かでも他者へは取り分を与えずに自分の取り分を増やそうとするし、自分が生活ギリギリでも実家に仕送りをする人もいるわけです。

まずは、自身と家族が立派に生活できるようになることも小さいかもしれませんが、社会貢献だと思います。それを達成してから次に一般的に言われる社会的意義や社会貢献に進むステップではないでしょうか。

転
最初から社会的意義や社会貢献が含まれたスタートはあり

社会的意義や社会貢献を一種の謳い文句にしてスタートするのはアリだと思います。例えば、「この製品はリサイクル材料を使っています」「この製品は廃棄しても環境にやさしい」「この製品を買うことで少数民族の雇用を生み、フェアトレードに協力できます」みたいなものであれば直接的に社会貢献ができるでしょう。

同じような機能の製品を比較した場合に、環境への配慮や社会的弱者への助けといったメッセージやストーリーがある方が選ばれる可能性は高いと思います。しかしながら、コンテンツ発信や、ものづくりの場でこうしたメッセージやストーリーを語ることは、誰でも・いつでも・どこでも できることではないです。

表向きには「お客様の為」「環境にやさしい」「社会貢献」と言いつつ、メーカーや外注先などの仕入先には、値下げ・無茶な納期設定(残業)など目につくような部分には社会貢献をしているように見せて、見えないメーカー側には取り分を残さなかったり、無理な業務を強いていることが現実としてあります。

上記は例として上げましたが、不当な労働や反社会勢力が手掛けた製品以外は、誰かしらの雇用を生んで素晴らしいことで、正直全部社会貢献だと僕は思ってしまうところがあります。

どこかの誰か・地球環境の助けになる実感の差だけの違いで、実際にはこの世界で何かを生み出して、それを買い求めるということ自体が、需要と供給という関係を超えて、作り手(クリエイター)の生活を支えているのではないでしょうか。

コンテンツクリエイター、インフルエンサー、エンジニア、ものづくり技術者、すべての作り手に社会的意義や社会貢献を持てというのは酷なことだとは思いますが、社会的意義や社会貢献に取り組むことは間違いなく良いことで、最終的にはそこに行き着くので、それを最初から武器にしていくのはアリというか、これからはやはりそうした部分ありきでスタートする方がブーストは掛かるので、後発でも有利な部分とは言えます。

結
壮大な夢も良いが、何者でもない者はまず足元

著名人やインフルエンサーが最初から大きな夢を掲げていて、成功したという話を聞きます。確かに大きな目標を宣言して自分にプレッシャーをかけて毎日その目標を見て、自分を鼓舞することは効果があると思います。何も考えずに過ごすよりも可能性はあるかもしれません。

実際のところ、それを実現できる人はどれだけ居るでしょうか。1%未満の大成功を目指すのか、もしくはその1%未満の大成功に向かっている途中過程の副産物の成功に行き着くのか。

1%未満の大成功を切り捨てた残りの99%以上の中で自分がクリエイターとして自立して生活を送ること・家族が生活できることの方が実現確率と安定度は高いのではないでしょうか。

最初から知名度がある芸能人やインフルエンサーといった既に何者かになっている場合や、上手く時代の波に乗れる人、飛び抜けた才能がある人・強運の人は別として、大多数の何者でもない人がやるべきことは、まず足元を固めることです。

「まず会社を辞めて背水の陣で本気でやれば何とかなる」みたいな精神論を展開するインフルエンサーがいましたが、現在はどちらかというと「サラリーマンで経済面・精神面を安定させて時間も定時で決まっているから、その他の時間をクリエイターとして投下してスケールしていく」というようなロジカルな意見が主流です。僕もその通りだと思います。

現在多くのインフルエンサーが自分の媒体を持ち壮大な夢を語っており、それを目指す駆け出しのクリエイターがいますが、そんなに簡単に自分の媒体や自分の商品で収益化はできません。既に影響力を持っている人と持っていない人では難易度も収益化できる金額も全然違うので、まずは地に足つけて現実を冷静に見ましょう。

周囲に惑わされずに取り組みましょう、自分のペースで。雑音が多い環境になってしまった現代ですが、クリエイターとして収益化や生活ができるレベルまで到達するのは早い人もいれば遅い人もいます。収益の額も異なります。

小さなことから前進させて確実に大きくスケールさせていけば良いです。

「〇〇ヶ月で〇〇万円達成」なんて平均データや自慢話なんてアテにしないでください。人それぞれ生み出すものは異なります。

壮大な夢や社会的意義・社会貢献も良いですが、まずは自分とその周囲が生活できるレベル、その貢献から始めて、貢献できる範囲を広げていくことも選択のひとつです。

たったひとつ確かなことがあるとするのならば、やらないよりもやった方が良いこれをやり尽くしましょう。すぐには報われなくても結果が出る時は来るはずです。それではっ|彡サッ

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