「値下げ」の話をしようと思う。コスパな俺というブログを運営している以上コストパフォーマンスや価格にはうるさい方だと私は自負している。

私自身昔は消費者側として安さこそが正義と思っていましたが、徐々に価格が高かろうと良いモノには惜しみなくお金を掛ける思考へと変化していきました。

正直 値下げ交渉や価格交渉が始まったら衰退が始まると言っても過言ではないと考えている。それは物理的にも・世界中の流れを見ても逆行しているためです。

 

起
根拠のない値下げや価格交渉は搾取と消耗

「値下げ」や「価格交渉」というのはなぜ行うのでしょうね。同じ素材で明らかに相場よりも高価ということであれば、販売側からぼったくりを防止するためには必要なことですが、相場の更に下をくぐる価格にする意味がわかりません。

例えば、ある商品を販売する場合、下記のような値下げできる根拠や仕組みがあれば納得がいきます。

正当な値下げの根拠や仕組み
  • 物流システムの省人化・自動化によるコストダウン
  • 仲介業者を除いた取引
  • 本来破棄される素材の利用
  • 小売りや店頭の利益率を下げる
  • メーカー閑散期に生産依頼を行う
  • 開発や品質のレベルを落とす

上記を行っていない限りは、「お客様の為」「消費者の方の為」という大義名分に隠れて、メーカーにしわ寄せを強要しているに過ぎません。

値下げの裏には、素材の質低下もしくは、メーカーへの暗黙の不当要求など確実と言って良いほど、ネガティブな部分が発生します。

 

メーカーへ値下げを要望して販売店や小売側の利益幅を増やす搾取的な価格交渉、もしくは体裁良く「消費者の方のために協力してください」と販売店や小売からメーカーへ暗黙の「価格を下げないと取引しませんよ」と圧力をかけるのが常套手段である。

「下請けイジメ」なんてある大企業が言われていましたが、こんなことは多々起こっているのです。

販売価格を下げたいのであれば、メーカーの仕入れ価格はそのままに、販売店や小売側の利益分を減らすか、企業努力してコストを下げるのが筋である。しかしながら自分の利益を削るようなことはせず、メーカーに対しては買い手側(客)という立場であるので、要求しやすいという部分もある。

 

承
持続可能性がない時点でいつか詰む

価格を下げるというのは、元々の原材料や人件費など含んでいるため、限界があります。価格を下げることによって起こりえることを考えてみましょう。

価格を下げることで起こる弊害
  • 量を生産・販売しなければ、利益が出なくなる
  • 生産者側の圧迫
  • 原材料の質の低下
  • 商品ではなく、価格だけを見るようになる
  • メーカー側のモチベーションの低下

これからは持続可能性の時代です。価格を下げてメーカーから絞り上げるようなやり方は今後より一層コンプライアンスの面で取り上げられることでしょう。いつかメーカー側から悲鳴となり、表面化すれば、企業イメージは崩れていきます。こうしたことは必ず起こります。値段だけみてメーカーを変えるようなことをすれば確実に恨みをかうからです。

値段を下げる分利益幅も少なくなるので、当然それ以上の業績を求める場合はそれ以上に量を生産して薄利多売をしなければなりません。大量生産・大量消費ってこれからの時代に沿うのかも疑問ですね。

大きなオーダーになれば同じ商品を生産ライン敷いて効率的に生産できるので、1個あたりのコスト価格を抑えることが可能ですが、結局長らく安定的にその状態が続くことが前提です。今回の新型コロナウイルスのように人の行動が制限、物流が止まってしまうような事態になればその前提条件は効果を発揮しません。

ミニマリズムが広まりながら、新型コロナウイルスでの消費控え、金融緩和、実際に株買いや金買いなどリスク分散とみられるインフレの前兆、そしてSDGsや持続可能な取り組みが現在進行形で進んでいる最中です。薄利多売は逆行しているように思えますね。

 

転
高くても売れるものを作るのが真の価値

値段を下げ始めたらもうアイディアが尽きたサインです。安売りというのは誰でも思いついて、誰でもできる販売促進手法です。

高くても売れるものを作るというのが真の価値ではないでしょうか。Apple製品に関しても正直スペックで言えば、スマホではiPhoneよりもAndroidのものが、パソコンではMacよりもWindowsの方が同じ費用でのスペックは数字的に高いです。

ブランド力や使い心地、単純な美しさなど価格に対する性能以上の部分で気持ちを高ぶらせるような価値を感じさせてくれています。

仕入れや買い取りを行う人でまず、価格の話をする人は正直ナンセンスだなと思います。ヘタすると価格の話しかしない人も居ますね。モノを見ない、モノが分からない。

商品の細部や価格の話をするにしても安い原材料に代替できるか、生産キャパシティを保証するなどの寄り添う姿勢が必要です。

消費者や販売店・小売といった買い手側がリスク無しで、メーカー側にだけリスクを取らせるような図式は長続きしません。

それこそ、その図式が成り立つのは余程メーカー側の能力が高い場合のみです。販売店や仕入れを行う小売が能力の無い分メーカー側が成立させているだけです。

抜本的・構造的な改革無しに、値下げの価格交渉を行うのは愚行です。先人が価格を下げずに守ってきたものを、後のことも考えずに今さえ良ければ良いという愚か者が残っている資源を削り取るかのような行為です。

価格が高くても売れるようにするのが仕事であり、真の価値を生む。値下げをし始めたら衰退の始まり。それで売れたとしてもその分馬車馬のように働かなければならない人々と大量の生産と消費を行わなければなない。とても建設的な行為とは思えない。

目先のパフォーマンスであり、長い目で見ればブランド力を落とし、消耗しながらの生産と環境への負荷が高まるのみである。

 

結
値下げの価格交渉を堂々と行ったら最期

値下げにも良し悪しがあります。構造と仕組みの改革、自身の痛みを伴った値下げであれば考える余地はあるが、単に「もっと安く買いたいです(無理なら他に頼みます)」が横行していることが多いでしょう。

値下げの価格交渉は【悪】持続可能性がない理由をまとめると

  • 不当な要求・コンプライアンス違反であるため
  • 持続可能性がないため
  • 真の意味での価値提供にならないため
  • 時代の流れと逆行していため(コロナ不況・インフレ)
  • 作り手の尊厳を無視しているため
  • 値下げだけの商品ではブランドが下がるため

店舗を持っている、というのは強みでしばらくは根強く残ると思いますが、中間業者などは余程買い手かメーカー側に都合よく、うまく立ち回らないと生き残れないでしょう。

メーカー側も能力を上げてきており、インターネットの普及で販売する力も得ています。これから値引きの価格交渉という概念は薄くなっていくかもしれませんね。

メーカーが直接販売を始めた方がピンハネされずに済み、メーカーの力が大きくなってくれば、店舗や小売のパワーハラスメント的な値下げ要求も通らなくなる時代が来るのではないと思えている。

企業の戦略も多いにあると思いますし、値下げすることによって業界シェアを占めるなどプラスの面もあると思いますが、消費者やメーカー、その事業に関わる全ての人のトータルでプラスになるかどうかですね。

私が見る限り、裏付けやなしの仕組み無しの不当な値下げや、値段ばかりを追う方法は良い結果を招くという確率は低いと考えます。

値下げというラットレースに参加すると取引をするどちらかが、得して損をすることになり共存共栄は難しいです。

値下げというのは、言えば生産者の時間や労働を過小評価するという行為です。大袈裟ですが、それに準ずる行為ですよね。作り手や下請け・メーカーからすればこれほどコスパの悪い相手はいませんね。